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挙証責任

立証(証明)する責任

ある事実や証拠を巡って利害関係にある者が、お互いに対立または異なる主張で争う場合に、その争いの結果で利益を得ようとする者が逆に負担しなければならない不利益のこと。簡単に言えば、主張の正当性を合理的に証明しなければならない責任のことです。

普通は事実や証拠さえ残っていれば有利だと考えられがちなのですが、仲裁や裁定を当事者以外の者が行うときは、利害との間にどのような因果関係が成立するのかを具体的且つ合理的に説明できなければ意味がありません。いわば、事実や証拠は因果関係を説明するための材料だといえます。

たとえば、窓ガラスが割られた車の中に、普通は存在しないはずの大きな鉄の塊があったとします。このとき、窓ガラスは鉄の塊によって割られたという事実と鉄の塊が車内あったという証拠は残りますが、それが人為的に投げ込まれたものか誤って投げ込まれたものかは、事実に基づく立証(証明)を待たなければなりません。

もしこの時、たまたま近くにいた女性が窓ガラスの破片を持っていたために器物損壊と窃盗未遂の容疑をかけられて刑事裁判や民事裁判を受けることになったとすれば、この事件で立証しなければならないのは本当にその女性がやったことを具体的且つ合理的に説明できるかどうかということです。

つまり、「鉄の塊はその女性が容易に持ち上げることのできない重量だ」とか「他に犯行を可能にするだけの器具や手段はなく、動機もない」という客観的事実に対して、どのような根拠から犯行が可能だったのか、どのような動機が考えられるのか、ということを説明することになります。

挙証責任の転嫁

この挙証責任は基本的に訴えを起こした者に課せられる責任ですが、争われる内容によっては条文または規定の但書あるいは優先する特別法で転嫁される場合もあります。挙証責任の転嫁とは、その責任の主体が当事者間で入れ替わることをいい、事実の存否や主張すべき内容も反転します。

その一例として自賠責保険の免責に関する部分が挙証責任の転嫁にあたります。通常、損害を被った者が加害者の過失を立証(証明)しなければならないのですが、特別法である自賠法(自動車損害賠償保障法)に基づく自賠責保険では加害者側に過失の無かったことを立証(証明)する責任を転嫁しています。

このように、挙証責任は損害賠償責任を問う上で非常に重要なポイントになります。特に、対人賠償の部分では損害額が自賠責保険の限度額を超える時点でこの直面する問題です。保険会社は被保険者の過失を自ら立証することはありませんので、示談交渉の準備に当たってはこの点を考慮しておく必要があります。

自賠責保険 対人賠償 挙証責任は加害者側にある
加害者が自己に過失のなかったことを立証(証明)する責任
自動車保険 対人賠償 挙証責任は被害者側にある
加害者に過失があったことを立証(証明)する責任
対物賠償

反証

挙証責任のある者が提出した証拠を改めて否定するために提出する証拠を「反対証拠」または「反証」といいます。反証があるかどうかは事実因果関係の認定を左右する要素ではありますが、必ずしも反証が有利に働くとは限りません。

よく、過去の判例を引き合いに出して得意気に説明する人がいますが、これは挙証責任にいう立証(証明)とは意味がだいぶかけ離れています。そもそも、判例自体が新しい判例によって常に塗り替えられる可能性があるので、あくまでも参考程度にしかなりません。

立証(証明)の“つかみ”

実際にどのようにすれば立証(証明)したことになるのか、具体的な例を取り上げて見ていきましょう。基本となるのは、あくまでも物理的な現象や数学的(科学的)な考え方を用いた検証方法です。

たとえば、Aは原付バイクで30km/hの定速度で側道から本線に合流したところ、後方から接近してきたBの四輪車に追突され、しかも現場には3.8mのブレーキ痕も残っていたとします。Aの原付バイクは20m先まで突き飛ばされ、Bが30km以上の猛スピードで追突したと主張していたとします。

この事故のブレーキ痕からブレーキ開始点の初速度を逆算する公式を使い、タイヤや路面状況から摩擦係数を甘めに計算しても27.8km/hという数値が得られたとします。

すると、BはAよりも明らかに遅いので、制動距離が少なくとも3.8m(ブレーキ痕の長さ)もあったのだから、Aが本当に30km/hで走行していたなら追突するはずがなく、「Aが本当に30km/hで走っていたか疑わしい」と論証できます。

この時点でBは急に進路変更をしてきたAを避けることができなかったとか、スピード超過などの違反行為はなかった、という裏づけとして説明することが考えられます。

逆にAが原付バイクの後部に残っていた凹みとB車両のバンパーの凹みが一致する条件を割り出した結果、B車両がほぼ静止しているときと同じ高さであることに注目し、「制動力が働けばB車両の車体前方は深く沈み込むはずで、衝突の瞬間はもっと低い位置に痕跡を残すはず」という論証をしたとしましょう。

こうなると、「Bは衝突の直前にブレーキを緩めた可能性があり、ブレーキ痕の長さは初速度が27.8km/hであったことを裏付ける証拠とならない」と導くこともできます。

さらに、バイクが20m突き飛ばされた事実を基に衝突時の慣性質量を求めた結果、Bが衝突する瞬間は少なくとも12km/h以上の速度があったことを導き出したら、3.8m手前での初速度は30km/hを超過していた疑いがあり、Bの論証は覆されることになります。

このように、ブレーキ痕やバイクが突き飛ばされた距離など、事実や証拠に基づいて因果関係を具体的且つ合理的に説明することが立証(証明)で、ある証拠に基づいてなされた主張を改めて否定するための証拠を反対証拠または反証といいます。

※具体的な公式や力学的な解析は別の機会にまとめたいと思います。

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